【武生特殊鋼材】北陸の伝統を受け継ぎながら発展する鋼材・商品を提供いたします

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当社は家庭用刃物から工業機械刃物までの刃物用材料をはじめとして 産業用材料、工芸材料、等幅広い分野に独自の製造販売を展開する、日本でも特異な独創的メーカーです。少量かつ多品種の受注に対応しており、商品の生産から販売まで行っております。


○クラッドメタルの製造
当社製造の自慢の素材はクラッドメタル(金属複合材料)です。
クラッドメタルとは色々な金属を独自の技術で接合し、単一金属では得られなかった特性を生み出しあらゆる用途で活用できる異種金属材料です。


○オリジナル刃物鋼「V鋼シリーズ」
当社に発注いただくと、様々な用途に応じて最適な鋼材を選んでいただけます。
例)V金10、スーパーゴールド2、コバルトスペシャル等

鋼材の用途は、下記の通り多岐に渡ります。
・刃物用(包丁、理美容鋏、園芸鋏、木工道具、工業用刃物 等)
・産業用(放熱部品、保熱部品、金型、耐食性部品、導電性部品 等)


○高強度・高靱性チタン素材の開発
当社ではチタン素材の開発も行っております。
チタンは人体親和性が高い素材であり、医療分野でも使用されています。最近では患者の回復が早い腹腔鏡手術などに用いられるため医療器具の小型化が求められており、チタンにおいても小型化に耐え得る特性が必要となっています。一般的にチタンの強度を上げるためにはレアメタルなどの合金元素が添加されていますが、他方で人体に無害な元素のみを使った高強度・高靭性の素材が求められていました。

当社では、一般的な溶解法ではなく粉末を固めて作る方法を用い、さらに酸素や窒素といった人体に無害な元素のみを配合することで、伸びと強度を両立した素材を開発しました。更に当社の圧延(うすく延ばすこと)の技術を生かすことで、より緻密で、チタン合金をも上回る強度を持つ素材を作る事が可能です。
○越前ブランドプロダクツ・コンソーシアム(iiZA)
当社は、越前打刃物産地の職人達と協力し、地域ブランド「越前ブランドプロダクツ・コンソーシアム(iiZA)」立ち上げました。当社が事務局として外販活動を手掛けています。
iiZAの包丁シリーズは、異なるグラッドメタルを使用した3種類のシリーズを展開しています。
1110シリーズ(直上画像 左):VG10ステンレス三層鋼ブレード
1110シリーズのブレード構造は、両サイドに錆びにくく、剛性を有するステンレス鋼、その中心にVG10ステンレス刃物鋼を配置した三層構造になっています。
刃先に表出する美しい波模様は、三層鋼刃物であることを表しています。この三層構造は、伝統的な日本刀の製造技術が活かされた“折れず、曲がらず”を特長としています。
また、両面がより錆び難いステンレス鋼である為、耐食性も付与されています。

1210シリーズ(直上画像 中):VG10マルチレイヤー三層鋼ブレード
1210シリーズのブレード構造は、VG10ステンレス刃物鋼を中心として、その両側にローカーボンステンレス(軟)とハイカーボンステンレス(硬)を交互に33層積層した母材を重ね合わせた三層構造となっています。
これらを鍛えることで、ダマスカス模様と呼ばれる優美で鮮麗な模様が表出します。この模様は、職人の手業による乱打鍛造によって表出され、一つとして同じ模様は現れません。また多積層で挟みこむことにより、ステンレス三層鋼よりも靭性が更に加わります。

1310シリーズ(直上画像 右):新素材 コアレス多層鋼ブレード
1310シリーズの刃物鋼は、コアレスという鋼同士を組み合わせて作られた画期的な素材です。VG10とVG2の高級ステンレス刃物鋼を約70層積層し鍛えることで、金属組織が微細になり、単一の鋼を用いるよりも、弾力があり折れにくい特性を持ちます。また、絶妙に鍛造されることにより、他に類を見ない、最高の切れ味が実現されました。刀身全面に浮かび上がる美しく細やかな波紋模様は、職人一人一人の匠の技により鍛造されて生まれる鍛造技術と材料技術の調和の証です。


○その他
上記以外にも、金属の受託加工(熱間・冷間圧延、熱処理等)や、ブランドの包丁の受託販売など、多くの事業を手掛けております。



【当社の製品・素材を利用した課題解決事例】

(1)収穫用刃材
永切れ性と耐食性を向上した切断刃を探している野菜収穫設備メーカー向けに、当社材を比較試験用として提案しました。従来品と同じ設備に取り付け、数千回の切断テストを実施。結果、当社材の切れ味は落ちることなく、耐食性についても従来品よりも良好でした。

(2)大工用工具
従来、客先にて鉋用に粉末ハイスを使用していたが、硬くて加工性も良くない為、客先での鍛接が難しい事が課題でした。当社のクラッド技術により、本来接合の難しい鉄とハイスの接合を実現。加工性も改善され、また高価な材料を鋼部分のみに使用することでコストダウンにも繋がりました。

(3)農作物粉砕用刃物
収穫の際に土や石が混入した状態で細かく粉砕するという過酷な使用環境であり、従来のような鋼単体での刃物では衝撃等を受けた場合、割れや欠けによってプラントでの作業が止まってしまうなどの問題がありました。そこで3層クラッドを使用することで刃物の外側部の耐衝撃性もアップし、何ヶ月に及ぶ連続稼働にも耐えうる刃物とすることができました。また、連続使用の中でバランスの良い砥ぎ効果もあらわれ、切れ味も保った状態で使用されています。

(4)農業機械用刃物
農業用刃物として芝刈り、牧草刈りなど様々な用途の中でネジリ刃を回転させながら使用するケースがあります。しかし全鋼やロー付け品ではネジリ加工の際に割れや角度の矯正が出来ない場合がありました。軟質の鉄と鋼を接着したクラッド材で強加工にも耐え品質を伴った刃物製作が出来るようになり、現在でも使用されています。

(5)皮製品用シェービング刃
鞣した皮を染色、加脂などの水場作業をする前に等級に応じて材料皮の厚さを調整する為、肉面側の表面を回転するロール刃で削るシェービング用の刃物にクラッド材が使用されます。基盤となるロールにらせん状に長尺の刃を取り付けますが、クラッド化する事により折れず曲がらずしなやかな状態で使用可能となります。



※武生特殊鋼材の商品・素材に興味のある方は、ぜひ下記フォームよりお問合せください。

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